入場料の高さから戸惑う方も多い「ラムセス大王展」
例に漏れずチケット代の高さに戸惑いつつも行ってきました。
古代エジプトの展覧会に興味ある!でもチケット代が高いなあ…。
いつもの展覧会とどう違うの?
結論。古代エジプト史に興味あるなら行って損はなしです!
チケット代の値段は少々するけど、後悔はしません。
展覧会の概要
✔開催期間:2025年3月8日(土)〜9月7日(日)
✔会場:ラムセス・ミュージアム at CREVIA BASE Tokyo(東京都江東区豊洲6-4-25)
アクセス:ゆりかもめ「市場前」駅から徒歩3分、有楽町線「豊洲」駅から徒歩15分
駐車場はなし。アーバンドックららぽーと豊洲に車を停めて、徒歩20分くらいかけて訪問しました。
公園の中を通るので気候が良ければ気持ちよく歩けます。
✔入場料:チケット価格は一般的な展覧会と比べて高め。
平日でも4000円。VRチケット付きにすると7500円です。
遊園地の入場料とあまり差がない金額ですね。
おすすめの購入方法

最もお得で使い勝手が良いのは、ART PASSでの前売り平日日時指定券(3,800円)の購入です。日時変更が可能なため、予定が変わっても安心です。
アソビューも同価格ですが、日時変更ができないため注意が必要です。
プレイガイドでの購入は価格が高いです。別途手数料がかかります。またART PASSでの日時指定が必要となります。
当日窓口での購入は最も高額で、混雑時には入場できない可能性もあります。
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VR・音声ガイド付きチケット

✔VR体験はアブ・シンベル神殿やネフェルタリ王妃の墓を再現した没入型体験です。
✔音声ガイドはご自身のスマートフォンとイヤホンを使用します。
今回は時間の都合でVR、音声ガイドは使用しませんでした。
ゆっくり見学して2時間ほどかかりましたよ。
何が見れるの?
今回の展覧会は名前の通り「ラムセス大王特化型」の古代エジプト展です!

■ ラムセス大王とは?
ラムセス大王(正式には「ラムセス2世」)は、古代エジプト第19王朝のファラオ(王様)。
紀元前1279年ごろから紀元前1213年ごろまで在位していた人物です。
彼はエジプト史の中で最も偉大な王の一人とされていて、「大王(だいおう)」と称されています。
ちなみにこの頃日本は、縄文時代末期から弥生時代が始まったかなといったところ。
■ なぜ「大王」と呼ばれるくらいすごいの?
「大王」と呼ばれるの理由
✔在位期間がとても長い
→ 約66年間も王として君臨していた。これは古代の王としてはかなり異例。
✔戦争でも外交でも成果を出した
→ 有名な「カデシュの戦い」でヒッタイト(現在のトルコにあった国)と戦い、後に世界最古の平和条約を結んだとされています。
✔数々の巨大建造物を建てた
→ アブ・シンベル神殿、カルナック神殿、ルクソール神殿など。
古代エジプトに詳しくなくてもどこかで一回は見たこと聞いたことがあるはず!
✔自分の偉大さを誇る記録を大量に残した
→ オベリスクや壁画に自分の武勇などを描かせた。自らを神のように演出していたとも言われている。
いわゆる古代の超有名インフルエンサーですね。
✔エジプトの黄金時代を象徴する存在
→ 文化、建築、軍事、宗教などあらゆる面でエジプトを繁栄させた。
■ 余談ですが…
・聖書に登場する「出エジプト」のファラオがこのラムセス2世ではないか、という説もあります。(未確定だが候補の一人)
・彼のミイラは19世紀に発見されて、今はカイロの博物館に安置されています。
過去の展覧会との主な違い
① 「ラムセス大王」にフォーカスした特化型展示
今までは「ツタンカーメン展」や「エジプト文明展」など、広く古代エジプト文明全体を扱う展覧会が多かった。
今回は、一人の王(ラムセス2世)に焦点を当てているのが大きな特徴。彼の人物像や業績、影響をじっくり深掘りできるのがポイント。
② 展示品の貴重さと豪華さが段違い
✔180点もの展示品の多くが、エジプト国外では初公開。
✔特にラムセス2世の実際の棺や、巨大な石像の一部などが来日するのは極めて異例。
✔他の展覧会ではレプリカや写真展示も多い中、今回はほとんどが本物の遺物!
さすがエジプト政府公認。力の入れ方が違いますね。
③ VRや没入型体験の導入
単なる「見る」だけじゃなくて、「体感できる」仕掛けが充実しています。
VR体験「オシリスへの旅」では、アブ・シンベル神殿やネフェルタリ王妃の墓を仮想空間でリアルに探検できます。
④ 「物語」や「演出」に力を入れている
展示品をただ並べるだけじゃなく、「ラムセスの人生を旅するような構成」になってる。
声ガイドや演出照明も使って、映画のような雰囲気で楽しめる。
特に注目すべき展示品は?
ラムセス2世の棺とラムセス2世の巨像の上部です。
ラムセス2世の棺(ひつぎ)

✔素材と技術
レバノンスギをくり抜いて作られたこの棺は、古代エジプトの高度な木工技術があったことが感じられます。
表面の金箔は失われていますが、棺自体の保存状態は非常に良好。
✔芸術的価値
棺のデザインは美しいカーブを描き、3000年前の物とは思えないくらいキレイな棺です。つい最近作成したのかと思うほど保存状態が素晴らしい。
✔展示の特別性
この棺は、エジプト国外で展示されることが極めて稀。
今回の展覧会での展示は非常に貴重な機会だそうです。
その他ラムセス2世の巨像の上部
この巨像がエジプト国外で展示されるのは、本巡回展が初めてです。
実際の会場の様子
会場はかな広々とした会場に平日のためか少ない入場者。見やすくて快適です。
入場するとラムセス大王のざっくりとした説明動画を観ます。

日本人にとってはあんまり馴染みがないと思いますが、古代エジプト王国でも郡を抜いて有名な王様です。
映像を見たあと展示室に移動。
ラムセス大王の像がお出迎えしてくれます。
会場内は写真撮影、動画撮影OK。動画配信はNGです。
ラムセス大王の生涯を通して展示物を観ていく構成でした。
しかし、もう少し詳しい展示物の解説があるとより楽しい気がします。
解説はかなりあっさりです。
またところどころ日本語の直訳のような解説文も見られ、違った意味で楽しいです。
日本のいつものエジプトの展覧会よりもなかなか見ない展示品が結構ありました。
個人的にお気に入りの展示品
個人的に気に入った展示品を紹介します。
今も昔もゴールドって良いね。
黄金のマスク、黄金のアクセサリーなどは本物だけがもつ迫力に圧倒されます。しかもデザインも秀逸。現代人の感覚でも十分素敵なデザインです。

また王様といえど副葬品が過去の王墓からの中古品が使われることがあったりと今まで知らなかったことも。


↑上記2つの写真はラムセス大王の副葬品ではありません。違う時代の王の副葬品を再利用した別の王の副葬品。
文字通りトレジャー。黄金や宝石の迫力にどれを見ても「おおー」という感嘆文しか出てきません。目の保養とはまさにこのこと。



会場中央辺りにある「カデシュの戦い」のレリーフ。
三人の敵国の人物をラムセス大王が鷲掴みにしています。左手には斧を持つなかなかインパクトのあるレリーフ。
世界史好きなら思わずおおーとなるでしょう。


エジプト側は圧勝と国内に宣伝しました。しかし実際には引き分けだったそうです。
展覧会初出しのこれらのミイラは猫やマングースのミイラ。
これらの動物のミイラは主に古代エジプトの人々が信仰していた神々へのお供え物用です。
フンコロガシのミイラははじめて見ました。

展覧会会場の装飾や映像にもお金がかかっているように見えます。
会場内はずっとそれっぽい音楽がBGMとして流れているし。
ちょっとした遊園地のようでした。チケット代が高くなるのもわかります。

展示品でなく王墓を再現した会場内の装飾。はじめ見たとき本物の壁画を展示しているのかと思うくらい精巧にできています。
ラムセス大王と言われてもあまりピンと来ませんでしたが、歴代エジプト王国の中でもとにかくすごい、別格の王だったことがこの展覧会で理解できます。
エジプト中に神殿を建てまくった王様なので、エジプト旅行中に必ずこの王様が関わった神殿などの遺跡を見れると思うと楽しいですね。
おみやげコーナーのところでVR体験ができます。VRは何時でも鑑賞可能で当日でもOKでした。
THEエジプトらしいお土産が豊富です。

目があまりにもかわいいアヌビスのぬいぐるみ。お値段5000円近くしたのでお迎えせず。
円安+世界的な物価高が痛いですね…。
「キングダム」の作者が描いたラムセス大王グッズもあります。

展覧会の定番おみやげである図録は会場の隅っこに。あまり買われないのでしょうか。図録はいつも山積みにされている印象があります。こういったところも外国の展覧会の違いを感じられて新鮮です。
会場の外にはカフェがあり、エジプトを感じられるコラボメニューがありました。
通常であればエジプトの博物館でしか見られない展示品が東京で気軽に見られるチャンスは今後もそうそうないはず。エジプト旅行に行きたい欲がより高まりました。
値段は高いけどエンタメ性の高い展示とそれ以上に素晴らしい展示物が見られて満足です!
結論。この展覧会は値段相応です。行って損はしないと思います。